訪問診療とは?
在宅医療(訪問診療)とは、具合が悪くなったときだけ医師が診察に伺うものではなく、お一人で通院が困難な患者さんのお宅に、日ごろから医師が定期的に診療にお伺いし、計画的に健康管理を行う診療をいいます。
定期訪問に加え、緊急時には365日、24時間体制で対応、必要に応じて臨時往診や入院先の手配などを行います。
訪問診療の目的は病気の治療だけではありません。転倒や寝たきりの予防、肺炎や褥瘡などの予防、栄養状態の管理など、予測されるリスクを回避し、入院が必要な状態を未然に防ぐことも重要な役割です。
当院では、在宅医療の専門医が、地域の病院や介護事業者の方々と連携・協力しながら、患者さんが在宅で安心して療養生活を続けられるよう、在宅患者さんを総合的にサポートします。
一般的な訪問診療の
手続きについて
まずは一般的な訪問診療の手続きについて確認しましょう。
対象者
訪問診療の対象者は基本的に「1人での通院が困難な方」です。
基本的には、
- 家族付き添いでの通院介助が大変な方
- 認知症などでご自身での定期的な通院が難しい方
- 病気や障害で自宅療養中、寝たきりなどの方
- 自宅で人工呼吸器や胃ろうなどの処置を行っていて移動が困難な方
- 自宅での看取りを希望されている方
などとなります。
訪問診療依頼の手続き
※一般的な流れであり、必ずしもこの通りとは限りません。
訪問診療を利用する方針で決まり、候補となる医療機関が検討できている場合は、以下のような流れで利用開始の手続きを進めることになります。
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利用することができそうか相談する(利用相談)
病院のソーシャルワーカー、担当ケアマネジャーにお願いするか、ご家族等が直接、利用を検討している医療機関へ相談し、診療内容や利用できるかどうかなどについて確認します。
- 2
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自分の希望と診療方針が合っているか?相談し、 費用や緊急時の対応についても確認する(事前面談)
相談員や歯科衛生士等と事前に面談し、診療方針について相談します。
あわせて、診療内容や費用、緊急時の連絡方法などを確認し、利用開始することが決まれば訪問診療開始時期を調整します。
- 3
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利用契約
事前訪問時(時に、初回訪問時も)などに利用申し込み手続きを行います。
利用時に必要な書類は代表的なものとして「かかりつけ医からの診療情報提供書」「医療保険証」「介護保険証」「印鑑」などがあります。
ただし、公費関係の書類や、ご状態に関する詳細情報、お薬に関する情報など個別に情報が必要となることもありますので、詳細は直接事業所に問い合わせましょう。
- 4
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定期的に自宅に医師と歯科衛生士が訪問してくれます
(訪問開始)
医師や歯科衛生士が決まった日時に定期的に自宅を訪問して診療を行います。緊急時は事前に受けた説明の通りに連絡を取って、対応してもらいましょう。
以上が一般的な利用開始までの流れになります。
個別具体的には医療機関の運営方針や、ご状態等によって異なる場合がありますので詳しくは病院のソーシャルワーカー、担当ケアマネジャー、利用を検討している医療機関等に確認していただきましょう。
※ケアマネジャーについてはこちらで詳しくご紹介しています。
生活全体を踏まえて
検討することが大切
訪問診療の利用を検討されているのには何らかの理由(悩みなど)があると思います。
その時はまず、担当のケアマネジャーや病院のソーシャルワーカー等にご相談ください。
在宅生活に関わるサービスには、訪問診療などの医療保険サービスだけでなく、さまざまな介護保険サービスがあり、これらを患者様やご家族の希望に合わせて適切に利用することが大切です。
そのためにはご状態や、生活状況、他のサービスの利用状況など生活全体を踏まえて検討することが大切になります。
とは言え、病気のことやサービスの仕組み、ルールなどは複雑で難しいです。
日頃の生活状況や直近の身体状況などを把握されているであろう身近な専門家の力も借りて検討されることをお勧めします。
訪問診療では自宅療養中で通院が困難な患者様に対して、医師や歯科衛生士が定期的(およそ月2回程度)に自宅を訪問し診療や治療を行います。
定期訪問以外にも、緊急時の往診も対応してくれます。
訪問診療の費用は訪問回数や診療内容、負担割合によって異なります。